散歩をしても訪れぬ夢路

不眠症

朝、目を覚ますと、窓の外は灰色の空。雨粒が静かに窓を叩いていた。時計を見ると、いつもの散歩の時間だ。しかし、今日は行けない。仕方がないと自分に言い聞かせながらも、どこか落ち着かない気持ちが胸の奥に残る。

朝の散歩が不眠に効くと信じている。実際、研究によれば、朝の散歩や適度な運動で自然光を浴びることは、体内時計をリセットし、夜の睡眠の質を向上させる可能性があるという。例えば、国立睡眠財団の調査では、朝の光が日中の覚醒状態と夜の眠気のバランスを整えるのに役立つとされ、不眠改善の一助になっていると報告されている。

それでも、散歩をしないだけで「今夜は眠れないかもしれない」と思ってしまうのは、もはや習慣が義務感に変わりつつある証拠かもしれない。確かに、毎朝の散歩は生活の一部になっている。しかし、そのルーティンを守れなかっただけで不安を感じるのは、逆に心を縛りつけているのではないか。

雨音を聞きながら、ふと考える。そもそも、朝散歩だけですべての不眠が解消するわけではない。ストレスや生活習慣、メンタルの問題など、さまざまな要因が絡み合っているのが現実だ。それなのに、散歩に行けなかったことで眠れなくなるかもしれないと焦るのは、本末転倒ではないだろうか。

とはいえ、雨のおかげで無理に外に出なくて済んだことに、どこかホッとしている自分もいる。習慣に縛られることで生まれるプレッシャーから、ほんの少しだけ解放されたような気がした。

明日は晴れるだろうか。また心地よい朝の空気の中を歩けるだろうか。そんなことを思いながら、今日はゆっくりと過ごそう。そして、自分に合った不眠対策を、もう一度見つめ直してみよう。

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